生徒と話すと、いろんなことに悩んだり、苦しんだりしているのが伝わってくることがあります。

その時、私は生徒にこんな話をします。

「悩みがあるから、うまく生きていけるんだよ。

成長していく中で悩みは必要なんだ。

大切なことは、その悩みから出るマイナスの気持ちを、他人や自分を責めることに使うのではなく、自分を成長させる力に変えることなんだ。

例えば、作曲家として致命的な難聴になりながら名曲を産んだ音楽家ベートーヴェンや、小学校を退学させられ、その後、新聞配達などをしながら独学で勉強した発明家エジソンを知っている？

この人たちも、きっとマイナスの気持ちを自分の成長に使った人だと思うよ」

二学期の中間テストの結果が戻ってくる時期となりました。

テスト結果を見て「悔しい気持ち」や逆に「達成感」など、いろいろな気持ちが湧いていると思います。

テスト結果が戻ってきて大切なことの一つ目は、その気持ちが鮮明なうちに、その気持ちを行動にうつすことです。

例えば、残念な気持ちがあるなら、そのような気持ちを二度と味わわないよう、次のテストに向かって計画を立て、前に進んでみよう。

逆に、達成感があるのなら、これから先も、もっと達成感が味わえるように計画を立ててみよう。

とにかく、悔しい気持ちや達成感など、心に感じる思いを、行動にうつすことで大きな力が発揮できます。

テスト結果が戻ってきて大切なことの二つ目は、テスト結果から普段の勉強を分析するということです。

テスト結果は、普段の勉強の様子を表しています。

例えば、テスト結果が悪かった場合、いろいろな原因が考えられます。

「家での勉強時間が少ない」、「学校の授業を理解できていない」、「集中して勉強していない」など、いくつも原因が挙げられます。

心当たりのある原因を探し、改善策を考えて下さい。

「家での勉強時間が少ない」と思うなら、その理由（例えば長時間スマホでゲーム）を考え、

改善策（例えばスマホを触る時間を1時間以内にする）など対策を立てて下さい。

難しいように思うかもしれませんが、テストの結果は、普段の勉強の反映なので、普段の行動を一つ一つ修正すれば良いのです。

最初は大変かもしれないけど、続けていけば「習慣化」するので、決して大変なことではありません。

最後に、よく言われることですが、戻ってきたテスト用紙を見直すことが学力アップにつながります。

テスト用紙から、自分は何が出来て、何が出来ないのかがわかります。

まずは出来たところでなく、出来なかったところを中心にもう一度解くことが大切です。

解けなければ、教科書やノートを見て、復習することです。

それでもわからなかったら、先生に聞くなどして、わからない所を放置しないことです。

放置すると、つまずきにつながります。

また「テスト見直しノート」を作っていくと、今後の受験に役立ちます。

テストの結果に一喜一憂するだけにとどまらないで、たとえ悪いテスト結果であっても、それをチャンスと考えて自分を成長させる原動力にし、将来に向け、もっともっと伸びていってほしいと思います。

「勝つ意欲」はたいして重要ではない。

そんなものは誰もが持ち合わせている。

重要なのは、「勝つために準備する意欲」である。

ボビー・ナイト（バスケットボールコーチ）

苦しいから逃げるのではない。逃げるから苦しくなるのだ。

ウィリアム･ジェームズ（アメリカの心理学者）