暗黙知

2019年09月01日

後ろから声が聞こえてきます。

「傘お忘れになりましたよ!」

食事した後、忘れた傘を、お店の方が自転車で追いかけて持ってきてくれました。

「ありがとうございます。忙しいのに大変な思いさせましたね」とお礼を言いました。

店員さんは笑顔で「10年近く自転車乗ってなかったですが、自転車乗ったら気持ち良かったです」と言って戻っていかれました。

 

私はホッとすると同時に、「暗黙知」と言う言葉を思い出しました。

自転車が乗れるようになるには、何回もこけながら体で乗り方を覚えていくものです。

このように体で覚えたものが「暗黙知」なのです。

それとは別に本などで覚えた知識は「形式知」と言います。

 

先日、先生方と食事会をしました。

食事の時に隣にいた先生は、まずは野菜を食べて次に、一番美味しいそうなものを食べました。

「どうしてそんな食べ方をするの?」と聞いてみました。

「最初に野菜を食べるのは、それが健康に良いと本に書いてあったから(形式知)。

次に一番美味しいそうなものを食べるのは、兄弟が多くて、早く美味しいもの食べないと取られたから(暗黙知)。」・・笑顔で答えてくれました。

つまり、人の行動や考え方は、「形式知」と「暗黙知」が織りなす結果とも言えます。

 

私は特に、暗黙知が重要だと思います。

例えば、水泳のオリンピック選手は、1日の練習で16キロ以上泳ぐそうです。

私なら即日、引退です。

しかし、こんな過酷な練習も徐々に距離を増やしていって体に覚え込ますそうです(暗黙知)。

 

このような良い「暗黙知」もありますが、その逆もあります。

大人の場合の例としては、人生の岐路で、その選択をしたらダメだと思う選択をいつも繰り返す人です。

子供の成績は、正に「暗黙知」の影響を強く受けています。

 

勉強ができる子と苦手な子の違いは、頭の良さでなく勉強の仕方にあるのです。

勉強の仕方は、小学校入学から少しずつ体で覚えた「暗黙知」なのです。

勉強ができる子は、好成績が取れるような勉強の仕方をしています。

逆に苦手な子は、結果が出ない勉強の仕方をしています。

 

例えば、家で勉強する時、勉強ができる生徒は、計算や漢字など簡単な問題から始める生徒が多くいます。

これには理由があって、簡単な問題をすることで、脳は「できる」というイメージを持ち、うれしくなり、やる気や集中力や高まり勉強がはかどるからです。

逆に、勉強が苦手な生徒は、弱点を補強しようと「できない内容」から取り組み途中で勉強をあきらめてしまいます。

 

暗記する時も同じです。

勉強が苦手な生徒は「丸暗記」をすることがよくあります。

そしてすぐに思い出せなくなります。

これには科学的な理由があって、憶えたことを思い出せないのは記憶がなくなったわけではなく、思い出す材料(棚に貼ってあるラベルのようなもの)がないだけなのです。

ですから暗記が得意な生徒は、思い出せるよう興味や目的を持ったり、理解したり、印象づけて覚えています。

 

星伸スクールでも、勉強の仕方については、様々な場面で指導をさせて頂きます。

 

2学期が始まりました。

生徒には暗黙知をベストなものに変え、さらに飛躍してほしいと願います。

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