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100点で500円・・・やる気は育つ?!

2019年10月01日

「100点なら500円、90点なら450円、80点なら400円、60点以下ならなら0円。テストの点数に合わせてお小遣いを渡そうと思うのですが、先生どうですか?」

先日、保護者の方からこんな相談を受けました。

皆さんは、どう思われますか?

私は「一時的に勉強するかもしれないですが、長い目で見たら、そのやり方は失敗です。お子様のために、そのやり方はしないで下さい」と答えました。

 

家でもっと勉強させたいというお母さんの気持ちは痛いほどわかります。

しかし、過去に同じような手法をされた家庭で、成功した家庭は、私の知る限りありません。

 

理由は、非常に簡単です。

 

子供のやる気を引き出すには、「動機づけ」が必要ですが、この動機付けには「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」の2種類があります。

 

外発的動機付けとは、お金などの報酬を得ることを目的に勉強させたり、強制的に勉強させたりしている状態で、自主的な勉強ではありません。

よくあるのは「100点取ったらお小遣いあげる」とか「宿題をしたらケーキを食べてもいい」などといった報酬によって学習させることです。

お小遣いや、ケーキなどの見返りを用意してやる気を出させようとすると、見返りがなければやる気が出ないといった条件付きのやる気になってしまいます。

この方法は一時的に効果があるかもしれませんが、継続性がありません。

 

では、常にお小遣いや、ケーキなどの見返りを用意しておけば、勉強に向かい続けるのでしょうか?

これもNOです。

心理学で馴化(じゅんか)といのですが、刺激に対する反応は徐々になくなってくることがわかっています。

つまり、最初は、お小遣いや、ケーキなどの見返りを期待して学習しても、それが当たり前になってきて効果がなくなってくるということです。

 

ただ、例外もあります。

見返りを期待して学習しているうちに勉強が好きになったり、目標を持ったりして、自発的に勉強するようになる場合です。

後で説明しますが、「外発的動機づけ」から「内発的動機づけ」へ変化する場合です。

ただ、この場合、いつ見返りをなくすかが難しいところで、失敗されるケースも多いように感じます。

 

一方、内発的動機づけとは、自分の内側から湧いてくるやる気です。

「良い成績が取れたのでもっと勉強したい」「勉強がおもしろくなったからもっとがんばる」「~高校に入りたいから勉強する」

これは物理的な見返りとは関係なく、子供の内側からわいてくるやる気です。

そのため、継続的にやる気が続き、結果として大きな成果がでてきます。

 

では、どうすれば、「やろう! 頑張ろう!」という内発的動機づけが起こるのでしょう?

今の子供たちを見ていると次のことが必要だと思います。

一つは認めてあげるということです。

人間には承認欲求というものがあります。

人は誰かに認めてもらいたいのです。

統計を見ても「先生や親から褒められたり認められたりした時に、子供たちのやる気が起きる」ことが分かっています。

また認められることで「自分なら出来る」と思い、やる気が湧いてきます。

逆に言えば、自分のことをわかってくれない、認めてくれない親や先生のもとではやる気が起きないということです。

承認し合える、信じられるからこそ、やる気が起こるのです。

子供たちを観察していると、どんな子でも認めてあげたり、褒めてあげたりできるところが一杯あります。

 

最後に、一つ気を付けて頂きたいことがあります。

例えば、子どもが読書をしていたとします。
それは単純に本の内容が面白くて読んでいたとします。

これは内発的動機づけによって行動しています。

しかしある時、「月に本を5冊読んだらゲームを買ってあげる」と言って報酬がもらえるようになったとします。

そうすると、今まで本人が好きで読書をしていたのに、見返りがなければ、読書をしたくなくなります。

このように不用意に外発的動機づけを行うことにより、やる気がなくなってしまう現象をアンダーマイニング効果といい、気をつけなければなりません。

 

子供のやる気を大切に育てることが、大人の大切な姿勢だと思います。

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