好きこそ物の上手なれ

2019年11月05日

「医者からすすめられてプールに通ったけれど、面白くもないし、疲れるからやめました。」・・・病院の待合室でのご老人同士の会話です。

私は、ふと105歳で水泳選手の長岡三重子さんを思い出しました。

長岡さんはリハビリをするため80歳で水泳を始め、91才で水泳選手として本格的に練習開始。

100歳で女子1500メートル自由形に出場、世界で初めて完泳した方です。

記録達成を目標に練習し、今では世界記録を18個も持っておられます。

 

長岡さんをご存知の方も多いと思いますが、見た目は普通のお婆さんです。

私が病院で出会った方も、普通のお婆さんです。

 

同じように水泳を始めても、なぜ、このような結果になるのでしょうか?

私は「捉え方」だと思います。

長岡さんは記録達成を目指し、水泳を楽しく、有意義なものとして捉えています。

病院で出会ったご老人は、水泳を辛く意味がないものと捉えています。

 

この捉え方の違いが、その後を大きく変えているのです。

言い換えれば、プラスにとらえるかマイナスにとらえるかで結果が変わるのです。

 

これは小中高と長く続く学習の場合、顕著です。

生徒の中には、勉強が楽しいという子もいれば、その逆の子もいます。

低学年の時は、それほど差がなくても学年が進むにつれ大きな学力差が生じてきます。

さらに進学する学校までも変わってきます。

勉強も捉え方次第で、結果が大きく変わるのです。

 

勉強の場合、脳科学でその理由がわかっています。

「勉強がつらい」「勉強が苦手」・・・・そのようなマイナスな気持ちが強いと、脳は学習した情報を理解できなかったり、記憶しにくくなります。

つまり脳の働きが悪くなるのです。

逆に脳は「好きだ、やりたい」と思うことで理解力や記憶力が増し、脳は活発に働き出します。

昔から「好きこそ物の上手なれ」と言われますが、科学的にも正にその通りなのです。

 

では、どうすれば勉強の捉え方をプラスに変えられるのでしょうか?

例えば、スイーツが好きだからパティシエを目指す人、旅行が好きだから旅行会社を目指す人、小さな子供が好きだから保育士を目指す人・・・どれも立派な理由ですが、残念ながら途中でやめる人が多いのが現実です。

それほど、「好き」という感覚は、いい加減なものなのです。

「嫌い」という感覚も同じで、経験したり、詳しく知ることで変わることはよくあります。

 

「勉強は嫌」と即断せず冷静に分析することが必要です。

ひとまとめに嫌と思わず、どこが嫌なのか、何が原因なのか、どうすれば好きになれるのか具体的に考えてみることが重要なのです。

 

例えば、私が教えた生徒で数学が大嫌いな生徒がいました。

嫌いな理由は、「テストの点が悪い」「授業が分からない」というものでした。

テストを見ると点数は悪いのですが、計算問題は、ほぼ出来ているのです。

「計算はできるね」と言うと、うれしそうな表情をしたので、「計算問題をしっかり勉強して計算に自信を持ったら」とアドバイスしました。

「授業が分からない」ということについても授業の前日に教科書を見るだけで良いので予習することをすすめました。

また授業中は、理解することを最優先にノートに書かなくても良いので先生の話に集中するように指導しました。

 

それから少しずつ、授業中の表情に明るさが増し、成績も伸びていきました。

「計算はできる」「新しく学習する内容は少し知ってる」・・・きっと、このようなところから数学の捉え方が変わったのではないかと思います。

 

捉え方ひとつで、勉強だけでなく様々な結果が変わってきます。

是非、何事も前向きに捉えてほしいと思います。

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