5月に注意
2022年05月01日
昨年の5月頃のことです。突然「先生、勉強のやる気がなくなりました。どうしたら良いですか?」・・・高校生のA君が、相談に来ました。
彼は、真面目な性格でコツコツ努力して進学校で成績も上位にいる生徒です。頑張り屋で、高校に入って勉強だけでなく部活も頑張っていました。
私は彼に「誰だって、やる気がなくなることもある。いつからこの状態になったの?」と聞くと「ゴールデンウィーク明けから」と答えました。
実は、毎年5月ごろになると一部の生徒からよく似た相談を受けます。真面目に頑張ってきた生徒がゴールデンウィーク後に起こる心理状態です。
原因は、4月になると新学年、新しい級友、新しい先生・・・生徒を取り巻く環境が大きく変わります。真面目な生徒であればあるほど、この環境に適応しようと頑張ります。
すると緊張状態が続いてストレスが蓄積されます。
それがゴールデンウィークの長期休みで、抑えていたストレスがダムの決壊のように、いっきに出てくるのです。
すると、やる気がなくなったり、不安や焦りを感じるようになります。
A君は早めに相談してくれたので本当に良かったです。さっそくA君に次のようなアドバイスをしました
◇今は充電期間だと思いのんびり過ごせばいい。心配しなくても必ず取り戻せる。
◇睡眠時間や食事をしっかり取り、健康的で規則正しい生活をしよう。
◇自分自身に厳し過ぎるので、時には心の中で自分を褒めるなどして自分を労わってほしい。
◇一人で悩んでないで、何気ない会話でも良いのでもっと家族と話をするようにしよう。
それから2週間ほどでご家族の協力もあり、彼は元気を取り戻しました。
もし、A君が誰にも相談せずにいたら、社会人がかかる「5月病」のような状態になっていたら、回復までに時間がかかっていたかもしれません。
さらに、そういった心の状態が続くと、専門機関のケアに頼ることが必要になります。
生徒にとって5月は、様々な環境の変化から、気疲れがいっきに出やすい時期です。
そのような悩みを相談できるような関係作りを、私たち大人も心掛けることが必要だと考えます。
どの生徒も未来に向かって生き生きと歩んでいってほしいと願っています。
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