頭を良くする?!
2019年06月01日
「どうして生きるのか?」「なぜ仕事をするのか」・・・星伸スクールの先生が集まって話し合いをしました。
宴会で人生を語り合っているのではありません。
「生徒のやる気を引き出す」ための研修です。
え?!どうして?!と思われるかもしれませんね。
実は、自分たちでテーマを考え、自由に考え発言することが「やる気」を引き出すために効果があるからです。
このことを実践して学力を大きく伸ばし、「キセキの高校」と言われる学校があります。
このキセキの高校とは東京の「大山高校」です。
東京の都立高校644の中で、ほぼ最下位の偏差値40。
そんな都立大山高校で、変化が起きています。
この3年、上智など有名私大に加え、国公立大への合格者が相次いでいるのです。
この理由は、詰め込み式の受験勉強でもなく、最先端のIT授業でもない「哲学対話」と呼ばれる、先ほどご紹介した生徒の自主的な対話なのです。
この哲学対話とは、教育プログラムとして米国では1960年代から広がりだしたものです。
子どもたちが共に問い、話し合うプロセスを通じ、探究心や考える力を育てることを目的としています。
自分たちでテーマを考え、自分たちで探求していくのです。
一見、当たり前のことのようですが、今の子供達には、そのような場面があまりありません。
学校でもアクティブラーニングが取り入れられましたが、学校から与えられる受け身の教育が中心で、自分の意志で考え探求するということがあまりありません。
私は以前から、自分が決めたテーマで自分の意志で探求することが、子供たちのやる気につながると感じていました。
脳科学的に見ても、自分の意志で探求すると脳は「フロー」と言う状態になり「集中しているがリラックスしており、最高のパフォーマンスを発揮する状態になる」ことが分かっています。
そして、この状態を繰り返すことにより、単純な言い方になりますが、頭が良くなると言われています。
実際、身近に例はたくさんあります。
例えば、「どうすれば強くなるか」、「どうすれば上手になるか?」そんなことを探求しながら部活を一生懸命やってきた子が、中3の2学期から勉強をやり始めたとたん、学力が驚くほど伸びることがよくあります。
また「堀川の奇跡」として知られる京都市立堀川高校も同じです。
最初、高い進学実績のない普通の公立高校でした。
1999年に生徒の興味や関心を引き出し、楽しく学べる探求学習を取り入れた「探究科」が設立されました。
探究科の1期生が卒業した02年、国公立大学への現役合格者数を前年の6人から106人に増えました。
今では地元の京都大学に毎年30人以上の現役合格者を出しています。
ここまで読んで頂いた方は、自分の意志で探求することが、受験に必要だと感じられたと思います。
もちろん、それは正しいのですが、もっと重要なことがあります。
それは来るべき未来への対応です。
2030年に日本の労働人口の49%の仕事がロボットやAIに代替される(野村総研)
時給20ドル以下の仕事の83%ではAIが優勢になる(米国大統領経済諮問委員会)
実際、もうすでにRPAというソフトウェアロボットが企業や県庁などの自治体に入り、人の仕事を奪っています。
どうすれば、AIに勝てるのか?
AIは、人間とは比べものにならないほど、たくさんのことを記憶でき、それをもとに様々なことを正確に処理できます。
そう考えると今までの「記憶力や知識量」を問う教育だけでは、AIに負ける状況になります。
もし、暗記力だけで有名大学に入り卒業したとしても、AIに負けて仕事に就けない、そんなことが現実に起こるかもしれません。
今回、国の教育改革の目的もそこにありますが、十分機能するかは、甚だ疑問です。
今こそ、自分の意志で考え探求する本来の人間の頭の使い方を目指す時かもしれません。
現在、星伸スクールでも授業以外の日に、自分でテーマを決め自分からすすんで勉強する「自立学習」という時間を、毎週とっています。
今後さらに工夫を凝らし「受け身の学習から能動的な学習ができる」ように子供たちを変えていくつもりです。
ご家庭でも、お子様の好奇心や興味を大切にして頂くことが、自分の意志で考え探求する第一歩になります。
子供たちの未来が素晴らしいものでありますように!
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