覚える方法
2020年12月01日
「覚えるのが苦手で、覚えてもすぐ忘れてしまいます。どうしたらいいですか?」
こんな質問を生徒からよく受けます。
「記憶力が悪い」と思っている生徒は意外にたくさんいます。
ある調査でも、20代の若者の約7割が「思い出せないことがある」と答えています(2017年総合マーケティング)
しかし、これは不思議なことではありません。
ドイツの心理学者エビングハウスの実験によれば、人は覚えた情報を、20分後に42%、1時間後に56%、1日後に67%忘れるそうです。
つまり人は覚えたことを急速に忘れてしまうのです。
生徒にこの話をすると「良かった」と言ってホッとしますが、次のような質問もしてきます。
「でも、○○君とか、いつも高得点とって記憶力も良さそう。やっぱり頭が違うのかな?」
私は「それは違う! 中学、高校の成績は頭の良し悪しでなく、勉強の仕方と勉強時間で決まる」と答えています。
実際、覚えるのが得意な生徒は、覚え方が違うのです。
まず覚える時、「興味や関心を持ったり」、「理解したり」、「つながりをつけて覚えたり」、「声を出したり、貼紙にしたり」、つまり印象づけて覚えています。
それには理由があります。
思い出せないのは、記憶がなくなったわけではなく、思い出す材料がなく記憶が引き出せないのです。
例えれば、思い出せないとは、「たくさんの引き出しの中にいろんなものを詰め込んで、必要な物が見つけられない状態」です。
引き出しに中身を表すラベルさえつけておけば、必要なものが引き出せます。
このラベルにあたるのが、先程の「印象づけて覚える方法」です。
復習する時もこの方法は有効です。
例えば単語を覚える時も、何度も単語を見て覚えるより、日本語を見て単語を思い出しながら覚える方法が効果的です。
言い換えれば、記憶を引き出すためのラベルをしっかり貼る、ということです。
他にも記憶するのに大切なことがあります。
先程のエビングハウスの実験結果の通り、人はすごいスピードで忘れてしまいます。
そのため、覚えてから日時が経たないうちに何度も復習することで、記憶が維持できます。
記憶力が良いと言われている生徒は、学校で習ったことを毎日家で復習しています。
当たり前の事のようですが、習ったその日に復習することは、かなり効果があります。
記憶力が良いという生徒は、さらに翌日、3日後、1週間後など何度も復習をしています。
そんなに何度も復習は無理、と思う生徒もいるかもしれませんが、実は一度、覚えてしまえば復習にそれほど時間はかかりません。
極端な場合、寝る前、布団の中で記憶したことを思い出すだけでも忘れにくくなります。
最後に、睡眠時間はしっかり取ってください。
昔は四当五落(4時間睡眠の受験生は合格、5時間睡眠の受験生は不合格)のような言葉がありましたが、これは間違っています。
成績上位の生徒はだいたい夜中の12時頃までに寝ている印象です。
それには理由があり、寝ている間に脳は記憶の整理整頓をしているからです。
また睡眠は、「集中力を高める」「ストレスの解消」など良いことがいっぱいあります。
ぜひ挑戦してみて下さい。
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