戦後最大?!
2022年11月01日
「先生、びっくりした! 中間テストの点数が悪くて落ち込んでいたのに、中学校の順位を見たら、前よりすごく上がっていた!」(上野校A君)
「今回の中間テストで英語の得点が63点で、前よりかなり下がったので自信をなくしていたら、クラスの平均点が43点で、平均より20点も高かったので驚いた!」(上野校B君)
今回の中学校の中間テストでは、昨年に引き続き異変が起きています。例外はあるとは思いますが、ほとんどの中学校の中間テストが、生徒にとっては難しかったのです。
これには理由があります。
学習指導要領(文科省が定めるカリキュラム)が昨年度改訂され、中学の学習内容が大きく変わったからです。(小学校では2020年度、高校では2022年度から)昨年度の改訂を経て2年目に入り、戦後最大と言われる改訂の影響が本格的に出てきたのです。改訂の内容をもう一度、振り返ってみましょう。
まず、学習する内容が大きく増えました。
例えば英語は、2020年度までの中学校卒業まで扱う英単語は約1,200語に対し、2021年度からはおよそ2倍に! 最大で約2,500語にもなりました。他の教科でも、新しい内容や用語などがたくさん追加されています。中学校教科書のページ数をみても、ゆとり教育時代から1.6倍に増えています。
次に、学習内容が難しくなりました。
例えば数学では、高校で習っていた「累積度数」が中学1年生で、同じく高校で習っていた統計分野の「四分位範囲」や「箱ひげ図」が中学2年生で習うことになりました。英語では、現在完了進行形、仮定法など高校で習っていた文法が中学校へ前倒しになりました。
学習指導要領は、文部科学省が定めた教育課程(カリキュラム)で約10年ごとに改訂されます。今回は戦後最大と言われるほど大幅な改訂が行われました。
理由は、AIやロボットなどの発達による時代の急激な変化です。
「あと10年から20年で、 49%の職業が機械に代替される可能性がある。(オックスフォード大学 2015年)」
「2011年にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、今は存在していない職業に就くだろうと予測される。(ニューヨーク市立大学)」
「2030年までに日本中の業務の27%が自動化され、約1660万人の雇用が機械に代替される可能性がある。(マッキンゼー・アンド・カンパニー調査 2020年5月)」
過去の産業革命は、多くの仕事が機械にとって変わり、一方で今までなかった新しい仕事が生まれました。
今回も同様にAIやロボットが人の仕事を奪っていきますが、一方で新しい仕事が生まれます。
過去の産業革命と大きく違うのは、新しく生まれた仕事に就くには高度な知識や知恵、スキルが必要になってくることです。
従来から存在する仕事も同様で、さらに高いスキルが要求されます。また一方でグローバル化が進むことで、さらにこの状況は加速されます。
そう考えると子供達は将来、AIやロボット、外国人とうまく共存できれば良いのですが、一方で今まで以上の競争にさらされるではないかと心配になってきます。
科学の発達やグローバル化により、子供達の未来は、SF映画のような世界になるかもしれません。
たとえ、どのような世界になろうとも、子供たちが幸せに生きていけるよう、子供たちに今できる精一杯のことをしていきたいと考えています。
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